2010/05/28

ainEzu

こんばんは。気紛れなひとり言の時間です。




今宵も名の無い語り人がお届けいたします。


気が付けば暖かな季節がやってきましたね。


冷えきった心は相変わらず心地良いですか。


無関心で贅沢な小人も穴から出てきました。


日差しを隠して笑ってる雲が清々しいです。


窓を開けたいのに冷たい壁しかありません。


遠くて近くて暗い壁に窓を描いてみました。


どうにも小鳥は鳴いてくれませんでしたよ。


どこから風が吹くのかと目を閉じてみたら、


札束に埋もれた牛が大声で叫んでいました。


私は外に出たいですと尋ねてみたのですが、


端の欠けた皿とナイフを差し出されました。


束の間の休息の時。涙が溢れる私の背後で、


溺れた魚を切り刻む名の無い料理人の誤解。


私に大きな声で笑ってごらんと言いました。


でも耳鳴りが止まないので睨み返しました。


喉が渇きませんか。お洒落したかったのに、


この姿では約束の時間に間に合いませんよ。


吐き出した花びらがヒラリと舞い踊る先で、


曲りくねる鉄の塊でできた扉からすきま風。


静かに壁に描かれたお友達を塗りつぶして、


蝋燭の灯火を消さない様にお別れしました。


思い出は壊れたピストルに詰めてきたので、


羽根を忘れた蝶も曇空を飛べるはずですよ。


何時まで経っても便りは届きませんでした。


逆さから覗いた箱はただのサイコロでした。


最後の一振りの目は誰も知らないのですか。


こっそりとうたた寝しているあなたの隣で、


着ぐるみを脱ぎ捨てメリーゴーランド待ち。


私はただ枯れた木に水を与えるだけでした。


繰り返し回り続ける滑稽な馬車を追い掛け、


虹に恋するお姫様気取りのマネキンですよ。


掴み取れないのは理解しているはずなのに、


仮面の笑顔が取れないのはどうしてですか。


胸の奥が重くて苦しいのはどうしてですか。


ほら傷だらけの眼球を転がして見てごらん。


照れ臭そうに振り返る老いた少女がいるね。


噛み切れないと思ったら牙が折れてました。


鉄の匂いのする不思議な雫を飲み干しても、


砂漠に咲いた誘惑の花は眠りに就かないよ。


飛び出した潤いの無い絡み付く偽りの棘が、


悲劇のヒロインのふりした私を犯してくる。


でも都合良く形を変える景色を跨ぎながら、


天空を見上げて喜ぶ愚かな群衆に応える私。


シワだらけの手を振り続けて首を吊ったら、


土の中でメロディーを奏でる少年がいるよ。


腐った果実を吐き出してユラリと揺れても、


曇り時々雨模様の気持ちの奥は晴れません。


箱に入れたままの大事な約束を捨てたから。


隠し事は夜の終焉までに燃やし尽くすのよ。


縫い合わされた瞳が石ころに変わるまでに、


穴を塞いで種を蒔かないといけないですね。


さあ明日はあなたの花を咲かせてください。


誰も待たない気紛れな約束の始まりですよ。


私は喉が渇いたのでもう一度目を閉じます。




さようなら。またどこかでお会いましょう。