2010/07/31

kuchinAshi


5分前のあなたに言っておきたいことがあります。


どうして逃げ出してしまったのですか。


弱い己と向き合う事を拒否した先に、


本当に望むものがあるとすれば、


それはガラクタを温めだけの偽りの灯火にすぎないのです。


残された私はあなたを追わなければいけないのですか。


少し考えさせてください。



5時間後のあなたに言っておきたいことがあります。


振り返ることはしないのですか。


ここからはあなたのすべてが見えません。


言葉はに灰になり、届くことはないのですから。


あなたを追うことはできません。


私には眩し過ぎます。



5日後のあなたに言っておきたいことがあります。


望むものは見つかりましたか。


あなたの苦しそうな表情が浮かびます。


胸の奥深くから高鳴る鼓動を押さえ込む私は、


意味のない理論を解決できないまま、


一歩も進むことができません。


あなたを少し羨ましくも感じます。



5年前のあなたに言っておきたいことがあります。


本当は別の方法があったのではないのですか。


幸せそうに笑うあなたが憎しみに包まれています。


上り坂は永遠に続くわけではないのですから。


完全なはずの形にヒビが入ってることに気付かないうちに、


私はあなたの愚かな鎖を砕くことになります。


ありきたりのままで。



現在のあなたに言っておきたいことはありません。


私はすでに濁流にのまれて、ここにはいないのですから。


目の前にいるのはあなたの記憶の断片なのです。


あなたの乾いた瞳に映っているのはあなたです。


言葉は必要ありません。


あなたしかいない風景の残像と共に、


時は偽りなく流れ続けるのだから。