
5分前のあなたに言っておきたいことがあります。
どうして逃げ出してしまったのですか。
弱い己と向き合う事を拒否した先に、
本当に望むものがあるとすれば、
それはガラクタを温めだけの偽りの灯火にすぎないのです。
残された私はあなたを追わなければいけないのですか。
少し考えさせてください。

5時間後のあなたに言っておきたいことがあります。
振り返ることはしないのですか。
ここからはあなたのすべてが見えません。
言葉はに灰になり、届くことはないのですから。
あなたを追うことはできません。
私には眩し過ぎます。

5日後のあなたに言っておきたいことがあります。
望むものは見つかりましたか。
あなたの苦しそうな表情が浮かびます。
胸の奥深くから高鳴る鼓動を押さえ込む私は、
意味のない理論を解決できないまま、
一歩も進むことができません。
あなたを少し羨ましくも感じます。

5年前のあなたに言っておきたいことがあります。
本当は別の方法があったのではないのですか。
幸せそうに笑うあなたが憎しみに包まれています。
上り坂は永遠に続くわけではないのですから。
完全なはずの形にヒビが入ってることに気付かないうちに、
私はあなたの愚かな鎖を砕くことになります。
ありきたりのままで。

現在のあなたに言っておきたいことはありません。
私はすでに濁流にのまれて、ここにはいないのですから。
目の前にいるのはあなたの記憶の断片なのです。
あなたの乾いた瞳に映っているのはあなたです。
言葉は必要ありません。
あなたしかいない風景の残像と共に、
時は偽りなく流れ続けるのだから。