2010/09/15

ruRikoN

その日から風向きが変わったらしい。


寝静まったこの街を俯瞰する。


あの瞬間がいつまでも身体に纏わり付いてくる。


その時に右か左かと問われては真ん中を指差す。


まるで砂上の楼閣のごとく美しき矛盾の答え。


夢見心地に辺りを駆け回り気付かない。


手に入れた自由の先にある不自由な世界。


己に必要なものを失う事があの時の誓いである。


この存在の意味を後に語るあなたに捧ぐ。


その日からいつもの風景を失ったらしい。


騒わついたこの街を見上げる。


紡ぎ続けたあの瞬間が解き放たれる。


振り返った先で微笑むあなたに問いかける。


まるで静寂と喧噪が入り交じる儚き矛盾の想い。


夢から覚めた辺り凝視し立ち尽くす。


失った不自由の先に煌めく自由な世界。


あなたに必要なものを奪う事があの時の誓いである。


この存在の意味を後に語れぬあなたに捧ぐ。





もう目を閉じて観る風景が彩られることはない。





すでに飛び込む事を拒絶したのだから。









もう悲しい眼を潤ませて微笑む事はない。





わたしはあなたの糧となり生きていくのだから。





あの日からこの日まで風が止んでいたらしい。


時の流れが土に還るこの街を包み込む。


あの瞬間に感謝し次の瞬間を迎え入れる。


綺麗事を放棄したあなたたちにに問いかける。


まるで仮定を否定し矛盾を証明する空論のように。


見えぬ磁石に引き寄せられるあなたたちが存在する不条理。


求め続ける自由の裏表が同期する世界を望む。


あなたたちの誓いを裏切る事がわたしの誓いである。


この誓いが存在しない事を知らないあなたたちに捧ぐ。