
何度も壊してきた意識の塔から見下ろした霧に飲み込まれ、
呼吸を忘れ、時は経ち、耳を塞ぐ両手に突き刺さる鎮魂歌。
雲の流れに希望の終わりを告げ、再生と再会を誓う。

所詮水槽に浮かぶ世界を変える事なんてできない。
ありのままの姿を曝け出し狂い乱れたところで、
汚れた心を洗い流す事ができない己の無力を知るばかり。
いつか微笑んでくれるだろうと手を差し伸べたところで、
辺りを包む腐敗した希望の欠片が醜い視線を送るだけ。
虚しさの残る言い訳ばかりが心を躍らせる。
消え去る事が物語の結末なら、続編は誰が書くのだろう。
ありふれた茶番劇は誰も望まない。
誘惑が微睡む霧の中で、意識の幕を静かに降ろす。

真実を映し出す鏡には何も映らない。
裏切られた夢が枯れ果て落葉に変わる頃、
都合の良い言葉を誤解したまま、
欲望の傀儡は落葉を踏み歩き続ける。
地の果てに届かない視線を感じる私の視線の先で。

枯れた涙を潤す雫は、無限の砂漠に吸い取られ、
私を照し出すはずの遠くの光は薄暗い空に遮られ、
見渡す限りの静寂と共に冷え渡る世界の震えが止まる。
捨てる事のできない記憶が胸の奥で深い眠りに就く。
誤りを正す手段はすでに捨てた事を忘れたままで。
懐かしい匂いに包まれ音の無いオルゴールが踊り続け、
抱き寄せる願いは塵となり、指先に触れる点と点。
押す事も掴む事もできず、時の流れ溺れていく。
感じる視線、薄れゆく意識の狭間で絡み合う線と線。
結び目が見当たらず藻掻き苦しむ滑稽な姿が見える。

私が溺れているのだろうか。
私は苦しいのだろうか。
私が捨てたのだろうか。
私は捨てられたのだろうか。
私は誰なのだろうか。
空白
叙情の旋律がを描く物語の続き。
遠くから感じる視線が瞳を閉じる。
見上げた先に広がる景色が眩しく温かい。
形ないカタチを彩る。
私はまだ何も知らない。